紹介をきっかけに始まった「経理が回らない個人事業主」の相談
このケーススタディは、
高度なツール開発や業務システム構築の事例ではありません。
むしろ、
- なるべくお金をかけたくない
- 難しいツールは使いこなせない
- それでも最低限、数字を把握できる状態になりたい
という、
多くの個人事業主が抱えている現実的な悩み を起点にしています。
今回相談を受けたのは、
他の世話人の方からの紹介でした。
紹介時点で共有されていた状況は、
- 経費がどれくらいかかっているか把握できていない
- 売上と支出の関係が整理されていない
- 「なんとなく回っている」状態が続いている
というものでした。
最初に確認したこと|ツール以前に見るべき前提
この相談に対して、
最初に行ったのは
「どのツールを使うか」を考えること
ではありませんでした。
まず確認したのは、
以下のような前提条件です。
- 現在の売上規模と取引量
- 経理に割ける時間と心理的負担
- ITツールに対する抵抗感
- 将来的にどこまで管理できるようになりたいか
この時点で、
- 高機能な経費精算システム
- 月額課金が発生するSaaS
を導入しても、
使われなくなる可能性が高い
と判断しました。
あえて高機能ツールを選ばなかった理由
世の中には、
- freee
- 楽楽精算
- サイボウズ系の管理ツール
など、
非常に高機能でサポートも手厚いサービスがあります。
機能面だけを見れば、
それらを使う方が
圧倒的に優れています。
それでも今回は、
それらを勧めない
という判断をしました。
理由は明確で、
- 機能が多いことが、安心につながらない
- 管理できている感覚を持てない
- 結果として、数字を見る習慣がつかない
という未来が想像できたからです。
このケースで必要だったのは、
正確な経理処理
ではなく、
自分の事業の状態を把握できているという感覚
でした。
採用した判断|「最低限」を成立させる設計
そこで採用したのが、
Googleスプレッドシートを使った
非常にシンプルな帳簿・分析シートです。
(※ 実際に作成したシートはこちら)
設計時に意識したのは、
- 入力項目を極限まで減らす
- 見なくていい数字を見せない
- 毎日触らなくても成立する
という点でした。
高度な分析や自動化は行っていません。
あくまで、
「今、事業がどういう状態か」
を把握できることを最優先にしています。
このシートが果たしている本当の役割
このスプレッドシートは、
- 経費精算ツール
- 会計システム
として設計したものではありません。
役割は、
判断の材料を、
見える形で揃えること
です。
- 売上に対して、支出はどれくらいか
- 固定費が重荷になっていないか
- 事業を続ける余力があるか
こうしたことを、
感覚ではなく、数字で確認できる
状態を作ることが目的でした。
お金が発生していないことについて
このスプレッドシート作成に対して、
金銭のやり取りは発生していません。
仕事として受けたものではなく、
状況を見て、必要だと判断した
という形です。
ただし、
だからこそ、
- 売るための提案
- 高機能ツールへの誘導
を一切行わず、
その人にとって今、必要な判断
だけを提供できたとも言えます。
この事例とLP制作事例とのつながり
後に、このスプレッドシートを作成した
個人事業主の方から、
自分のサービスの紹介も任せたい
という相談を受け、
LP制作を行うことになりました。
この流れは、
偶然ではありません。
- 数字が整理され
- 現状を把握できるようになり
- 次に何をすべきか考えられる状態になった
結果として、
外向きの発信(LP制作)
へと進めるようになった、
自然な流れでした。
この事例が示しているビジネッツのスタンス
このケーススタディが示しているのは、
- 高機能なツールを作れるか
- ITに詳しいか
という話ではありません。
示しているのは、
状況を見て、
何を削り、
何を残すかを判断できるか
という一点です。
ビジネッツは、
ツールや制作物そのものではなく、
判断と設計
を価値として提供しています。
このスプレッドシートは、
その考え方が、
業務の裏側でどのように使われたかを示す
一つの具体例です。
まとめ|事業を前に進めるための「足場」を作る
この事例では、
- すごい成果
- 分かりやすい成功談
は登場しません。
しかし、
事業を続けるための足場を整える
という意味では、
非常に重要な判断だったと考えています。
ビジネッツは、
派手なツールや施策を売る会社ではありません。
その人、その事業が、
次の一手を考えられる状態になる
ための判断と設計を行っています。
このスプレッドシートの事例は、
その姿勢を示す、
もう一つのケーススタディです。

